映画『ラストマイル』感想|『アンナチュラル』『MIU404』未視聴でも楽しめた【ネタバレあり】

映画『ラストマイル』を鑑賞しました。

本作は、ドラマ『アンナチュラル』『MIU404』と同じ世界を舞台にした、シェアード・ユニバース作品です。

私はどちらのドラマも観ていません。

それでも、連続爆破事件を追うサスペンスとして最後まで緊張感が途切れず、かなり楽しめました。

ドラマの存在は知っていたため、登場人物が出てくるたびに「もしかして、この人たちがドラマの登場人物なのかな」と想像しながら観る面白さもありました。

もちろん、2作品を観ていれば人物同士の関係性まで分かり、さらに楽しめたと思います。

事件の謎だけでなく、巨大EC企業と配送会社の力関係や、私たちが当たり前に利用している便利なサービスの裏側まで描かれていた点も印象に残りました。

※この記事では、映画の内容と結末に触れています。

★30秒で結論

評価:★★★★☆ 4.0

『アンナチュラル』『MIU404』を観ていなくても、一本のサスペンス映画として十分に楽しめました。

巨大物流センターから発送された荷物が次々と爆発する事件が発生し、残された爆弾を見つけ出すまで緊張感が途切れません。

特に印象に残ったのは、巨大EC企業と配送会社の力関係です。

私たちが安く、早く、便利に商品を受け取れる裏側で、物流の現場にどれほどの負担がかかっているのかを考えさせられました。

海外で働いてきた雰囲気のある舟渡エレナ(満島ひかり)と、彼女に関わる中で変わっていく梨本孔(岡田将生)の組み合わせも良かったです。

終盤では、佐野親子の活躍と、息子・亘(宇野祥平)が以前勤めていた家電メーカーの設定が伏線として回収されます。

明確に気になったところがあって評価を下げたわけではなく、これまで観たほかの作品との相対評価で4.0にしました。

この映画はこんな人におすすめ

  • 『アンナチュラル』『MIU404』が好きな人
  • 2作品を観ていないが、『ラストマイル』が気になっている人
  • 最後まで緊張感の続くサスペンスが好きな人
  • 物流業界や働き方を扱った作品に興味がある人
  • 満島ひかり・岡田将生の演技を観たい人

ドラマを観ていなくても、物語を理解する上で大きな問題はありませんでした。

ただし、ドラマの登場人物だと分かるような見せ方は多いため、2作品を観ている人なら、登場した瞬間からさらに楽しめると思います。

作品情報

項目内容
作品名ラストマイル
公開日2024年8月23日
上映時間128分
製作国日本
監督塚原あゆ子
脚本野木亜紀子
主な出演満島ひかり、岡田将生、ディーン・フジオカ、大倉孝二、酒向芳、宇野祥平、安藤玉恵、火野正平、阿部サダヲほか
主題歌米津玄師「がらくた」
配給東宝
映倫区分G(年齢にかかわらず鑑賞可能)

あらすじ(ネタバレなし)

11月、流通業界最大のイベントであるブラックフライデーの前夜。

世界規模のショッピングサイト「DAILY FAST」の関東センターから発送された荷物が、届け先で爆発する事件が発生します。

関東センター長として着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)と、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)は、警察や配送を担当する羊急便と協力しながら、事件への対応を進めます。

しかし、爆発は一度では終わりません。

センターから発送された複数の荷物に爆弾が仕掛けられている可能性が浮上します。

すでに全国へ運ばれてしまった荷物の中から、爆弾をどのように見つけ出すのか。

物流を止めれば社会に大きな影響が出る一方で、稼働を続ければ新たな犠牲者が出るかもしれません。

エレナと孔たちは、残された爆弾と事件の真相を追います。

良かったところ

最後まで緊張感が途切れなかった

最も良かったのは、連続爆破事件をめぐる緊張感が最後まで続いたことです。

巨大物流センターからは、毎日膨大な数の荷物が発送されています。

その中に爆弾が紛れ込んでいても、どの荷物なのか簡単には見つけられません。

すでに配送先へ向かっている荷物もあり、次にいつ、どこで爆発するのか分からない。

犯人や目的もすぐには明かされず、事件の背景が少しずつ見えてくる構成にも引き込まれました。

爆弾を見つけ出すサスペンスだけでなく、警察、EC企業、配送会社がそれぞれの立場から動いていくことで、物語が止まることなく進んでいきます。

上映時間は128分ありますが、長さはあまり感じませんでした。

巨大EC企業と配送会社の力関係

事件と同じくらい印象に残ったのが、巨大EC企業「DAILY FAST」と配送会社「羊急便」の力関係です。

商品を販売するEC企業が力を持ち、実際に荷物を運ぶ配送会社やドライバーに負担が集中していきます。

それでも、配送会社側が簡単に仕事を断ることはできません。

大きな取引先を失えば、会社そのものが立ち行かなくなる可能性があるからです。

作中では、人命を守るために物流を止めるべきなのか、それとも社会への影響を考えて稼働を続けるべきなのかという判断も迫られます。

もちろん、人の命が最優先です。

しかし、巨大な物流網を一度止めることで起きる影響も大きく、簡単に答えを出せる問題ではありません。

企業と企業の力関係だけでなく、利益と人命、利便性と現場の負担が複雑につながっていることが伝わってきました。

便利さの裏側を考えさせられた

ネットで注文した商品が、早ければ翌日に届く。

今では当たり前になっている便利さですが、その裏側では多くの人が荷物を仕分け、運び、届けています。

私たちは画面上で商品を選び、ボタンを押すだけです。

しかし、その荷物が自宅へ届くまでには、物流センターや配送会社、委託ドライバーなど、多くの人が関わっています。

『ラストマイル』では、その中でも商品を消費者へ届ける最後の区間が描かれます。

安さや早さを求め続けることで、最終的に負担を背負うのは誰なのか。

普段何気なく利用しているネットショッピングの裏側について、考えさせられました。

海外で働いてきた雰囲気のあるエレナ

舟渡エレナを演じた満島ひかりも良かったです。

エレナは仕事ができ、自分の判断を迷わず言葉にする人物です。

相手を役職ではなく名前で呼び、会話のテンポも速い。

海外企業で働いてきたことが伝わるようなノリがあり、登場した直後から一般的な日本企業の管理職とは違う雰囲気を感じました。

次々と問題が起きる中でも、状況を整理し、会社を動かしていく姿は格好良かったです。

一方で、常に余裕があるわけではなく、物語が進むにつれてエレナ自身が抱えているものも見えてきます。

仕事ができるだけの人物ではないところも、物語に深みを与えていました。

エレナとの関わりで変わっていく孔

梨本孔を演じた岡田将生も印象に残りました。

孔はエレナと一緒に事件へ対応する中で、少しずつ変わっていきます。

当初はエレナの指示を受けて動く立場でしたが、事件や物流現場の現実に向き合うことで、自分で考え、判断するようになります。

考え方も仕事の進め方も異なる二人ですが、事件に立ち向かう中で関係性が変わっていくところが良かったです。

孔はエレナほど強い個性を前面に出す人物ではありません。

その分、エレナのそばで状況を見ながら成長していく姿が自然に描かれていました。

ドラマ未視聴でも楽しめた

私は『アンナチュラル』『MIU404』のどちらも観ていません。

それでも、登場人物や事件の流れが分からなくなることはなく、一本の映画として楽しめました。

ドラマの存在自体は知っていたため、警察や法医学関係者が登場するたびに「この人たちがドラマの登場人物なのかな」と想像できたことも面白かったです。

ただし、ドラマを観ていれば、それぞれの人物が登場した意味や、登場人物同士の関係性まで分かります。

未視聴でも楽しめますが、視聴済みの人なら、さらに楽しめる作品だと思います。

佐野親子と家電メーカーの伏線回収

終盤で特に良かったのが、佐野昭(火野正平)と息子・亘(宇野祥平)の活躍です。

昭は、羊急便から配送業務を請け負う委託ドライバーです。

亘は、勤めていた家電メーカー「日ノ本電機」が倒産したことで、父親のもとで配達員見習いとして働いています。

序盤では、亘が以前家電メーカーに勤めていたことが明かされます。

その時点では、現在の仕事に至った経緯を説明するだけの設定に見えました。

しかし、最後の爆弾を止める場面で、その設定が伏線として回収されます。

最後の爆弾が届いた家にあったのは、日ノ本電機が製造した丈夫な洗濯機でした。

亘は自分が知っている製品の性能を生かし、爆弾を洗濯機の中へ入れることで被害を防ぎます。

大手企業との価格競争に敗れ、倒産してしまった会社の製品が、最後に人の命を救う。

序盤に登場した家電メーカーの話が、この場面につながっていたことが良かったです。

また、昭が数日前に荷物を届けた家を覚えていたことも、最後の爆弾を見つけることにつながります。

巨大なシステムやデータだけではなく、最後は実際に荷物を届けてきた人の記憶と、親子の行動が命を救いました。

父親が息子を思う姿も含め、佐野親子は本作のテーマである「ラストマイル」を象徴する存在だったと思います。

『アンナチュラル』『MIU404』を観ていると、さらに楽しめそう

本作を観る前は、『アンナチュラル』『MIU404』のどちらも未視聴でした。

実際に観てみると、ドラマを知らないことが大きな欠点になるとは感じませんでした。

ただ、明らかに特別な登場の仕方をしている人物も多く、元の作品を知っていれば、さらに盛り上がれたと思います。

『ラストマイル』単体でも十分に楽しめましたが、ドラマを観たあとにもう一度鑑賞すると、最初とは違った見方ができそうです。

総評

『ラストマイル』は、巨大物流センターから発送された荷物による連続爆破事件を描いたサスペンス映画です。

次にどの荷物が爆発するのか分からない緊張感が最後まで続き、128分を長く感じませんでした。

事件の謎だけでなく、巨大EC企業と配送会社の力関係や、安く早く商品が届く便利さの裏側まで描かれています。

舟渡エレナを演じた満島ひかりは、海外で働いてきた人物らしい仕事ぶりが格好良く、エレナと関わる中で変わっていく梨本孔も良かったです。

また、佐野親子の物語と、亘が以前勤めていた家電メーカーの設定が、最後の爆弾を止める場面につながる伏線回収も印象に残りました。

『アンナチュラル』『MIU404』を観ていない私でも、一本の映画としてかなり楽しめました。

ドラマを観ている人はもちろん、未視聴で観ようか迷っている人にもおすすめできる作品です。

明確に気になったところがあって評価を下げたわけではなく、これまで観た作品との相対評価で4.0にしました。

評価:★★★★☆ 4.0

30代男のひとこと

荷物が早く届く便利さの裏側には、それを届ける人がいる。

佐野親子と丈夫な洗濯機による伏線回収が、最後まで印象に残りました。

次に観る映画を探している方は、「2026年9月に映画館で観たい注目映画6選」もあわせてご覧ください。

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