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朝ドラ『ばけばけ』を見ていた人、読むネガイマス。
今回読んだのは、小泉八雲の妻・小泉セツが、夫との思い出を語った『思い出の記』です。
『ばけばけ』は、小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)夫妻をモデルにした物語。
ドラマを見たあと、二人は実際にはどのような夫婦だったのか知りたくなり、この本を読みました。
読み始めると、ドラマで見たような出来事が次々と登場します。
「これは、あのシーンの参考になった話かもしれない」
そんな想像をしながら読めるのが、とても面白かったです。
特に印象に残ったのは、八雲が想像以上に神経質で繊細な人物だったこと。
『ばけばけ』を見ながら「ヘブン先生、すごく神経質だなあ」と思っていましたが、本当にそのような一面があったのだと分かりました(笑)。
この記事では、『ばけばけ』を思い浮かべながら読んで感じた、本書の面白さを紹介します。
『思い出の記』の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 『思い出の記』 |
| 著者 | 小泉節子 |
| ジャンル | 回想記 |
| 私の評価 | 4.5/5.0 |
『思い出の記』は、小泉八雲の妻・セツが、八雲と過ごした日々を振り返った回想記です。
八雲との出会いや結婚生活、怪談をはじめとする作品づくり、家族との暮らし、八雲の性格や最期などが、妻の視点から語られています。
日本語を十分に話せなかった八雲と、英語を話せなかったセツ。
二人は、英語と日本語が入り交じった独特の言葉を使いながら、少しずつ心を通わせていきました。
本書には、その特徴的な会話も数多く残されています。
古い時代の文章なので、現在ではあまり使わない言葉や表現もあります。
少し読みにくさはあるものの、セツがすぐそばで八雲について話してくれているような温かさを感じられる本でした。
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『ばけばけ』で見た場面を想像しながら読める
この本を読んで最も面白かったのは、『ばけばけ』とのつながりを想像できることです。
もちろん、『ばけばけ』は小泉セツと八雲をモデルにしたフィクションです。
ドラマの出来事が、すべて史実どおりに描かれているわけではありません。
それでも本を読んでいると、
「これは、ドラマに出てきたあの場面のことかな?」
「この話が、あのシーンの参考になったのかもしれない」
と思うエピソードが何度も出てきました。
特に、ヘブン先生とおトキさんの姿を思い浮かべながら読めたことで、100年以上前の出来事であっても、文章だけで場面を想像しやすかったです。
ドラマを見ていなければ、歴史上の人物について書かれた昔の回想記として読んでいたかもしれません。
しかし、『ばけばけ』を見たあとだったからこそ、八雲とセツを身近な夫婦として感じられました。
『ばけばけ』は、この本をはじめ、セツが残した八雲との思い出を参考にしながら、二人の暮らしや空気感を丁寧に描いたのだろうと思います。
ドラマを見終わったあとに本書を読むことで、物語をもう一度、別の角度から楽しめました。
ヘブン先生の神経質さは本当だった(笑)
『ばけばけ』を見ていると、ヘブン先生の神経質さが目立つ場面がありました。
物音や周囲の環境に敏感で、気分の浮き沈みも大きい。
穏やかに過ごしていたかと思えば、急に感情が高ぶることもあります。
ドラマを見ながら、少し強調して描いている部分もあるのかなと思っていました。
しかし、『思い出の記』を読むと、八雲は実際にとても神経の鋭い人物だったことが分かります。
普通の人であれば気に留めないような出来事でも深く受け止め、周囲の音や環境にも敏感に反応する。
楽しいときには心から喜び、悲しいときには世界全体が悲しくなったように感じる。
一つの物語や感情の中へ、深く入り込む人でもありました。
それだけ感受性が豊かだったからこそ、日本の怪談や昔話に心を動かされ、多くの作品を生み出せたのかもしれません。
ドラマで「ヘブン先生、すごく神経質だなあ」と思っていましたが、まったく根拠のない描写ではなかったんですね(笑)。
『思い出の記』を読んだことで、ドラマのヘブン先生の見え方も少し変わりました。
八雲は、うれしいときには子どものように喜び、悲しい話には深く入り込むなど、感情の振れ幅が大きい人でもありました。そんな感受性の豊かさが、日本の怪談や昔話に強く心を動かされた理由の一つなのかもしれません。
八雲の性格を受け止めるセツの温かさ
八雲の繊細さと同じくらい印象に残ったのが、そんな夫を受け止めるセツの存在です。
八雲が周囲の出来事を深く気にしたり、気分を大きく変化させたりしても、セツはその性格を理解しながら寄り添っています。
振り回されて大変だったことも、きっとあったと思います。
それでも、セツの語り口からは、八雲への不満よりも、愛情や懐かしさが強く伝わってきました。
八雲の少し変わった行動についても、困った人として突き放すのではなく、「こんなこともありました」と温かく振り返っています。
セツにとっては、その神経質さや不器用さも含めて、八雲だったのでしょう。
本を読む前から、ドラマを通じて二人は仲の良い夫婦だったという印象を持っていました。
しかし、『思い出の記』を読むと、実際の二人は、ドラマで感じた以上に仲の良い夫婦だったのではないかと思いました。
二人の独特な会話がかわいらしい
本書の魅力の一つが、八雲とセツの独特な会話です。
日本語を十分に話せない八雲と、英語を話せないセツは、限られた言葉を組み合わせながら意思を伝え合っていました。
現在の日本語として読むと少し不思議な言い回しですが、二人の会話には独特のリズムと温かさがあります。
八雲がセツを「ママさん」と呼び、セツが八雲を「パパさん」と呼ぶやり取りも印象的でした。
言葉が完璧に通じなくても、互いの性格や考えていることを理解していた二人。
言葉は完璧に通じなくても、二人が互いのことをよく分かっていたのが伝わってきました。
『ばけばけ』のヘブン先生とおトキさんを思い浮かべながら読んだこともあり、二人が実際に話している姿まで想像できました。
文章で読むと、その少し不器用なやり取りがとてもかわいらしく、何度もほっこりしました。
セツは八雲の妻であり、作品づくりの大切な協力者だった
『思い出の記』を読むと、セツが八雲の生活を支えた妻であるだけでなく、作品づくりに欠かせない存在だったことも分かります。
セツは、自分が知っている怪談や昔話を八雲に語りました。
八雲はその話を聞き、気になった部分を質問し、物語の世界を膨らませていきます。
二人で泣きながら物語を語り、聞いたこともあったと記されています。
八雲の作品は、八雲一人の力だけで生まれたものではありません。
日本の物語を知り、その空気や感情まで伝えられるセツがいたからこそ、八雲は日本の怪談を自分の作品として世界へ届けられたのだと思います。
ドラマで描かれていた二人の共同作業にも、実際の夫婦の姿が重なりました。
夫婦でありながら、物語を一緒につくるパートナーでもあった。
『思い出の記』を読むことで、小泉セツという人物の存在の大きさを改めて感じました。
古い言葉には少し読みにくさもあった
私の評価は、5点満点で4.5点です。
八雲とセツの暮らしや人柄が伝わり、『ばけばけ』とのつながりも想像できる、とても面白い本でした。
一方で、昔の文章なので、古い言葉や現在とは異なる言い回しが使われています。
会話も独特なため、最初は少し読みづらく感じる部分がありました。
文章量はそれほど多くありませんが、すべてをすらすら読めたわけではありません。
それでも、読み進めるうちに文体や二人の会話に慣れてきます。
むしろ、少し古風で独特な文章だからこそ、セツが八雲との思い出を直接語ってくれているようにも感じられました。
読みにくさはありましたが、それ以上に、八雲夫妻の人柄や暮らしを知る面白さが上回りました。
『思い出の記』をおすすめしたい人
この本は、次のような人におすすめです。
- 朝ドラ『ばけばけ』を見た人
- 『ばけばけ』の元になった夫婦について知りたい人
- 小泉八雲に興味がある人
- 小泉セツが果たした役割を知りたい人
- 八雲夫妻の温かなやり取りを読みたい人
- 実在した夫婦の回想記が好きな人
特におすすめしたいのは、『ばけばけ』を最後まで見た人です。
ドラマを見ているため、少し古い文章でも登場人物や場面を想像しやすくなります。
「これは、あの場面の参考になったのかもしれない」と考えながら読むことで、ドラマの世界をもう一度楽しめます。
ドラマだけでは分からなかった実際の八雲の性格や、八雲を支えたセツの存在についても、より深く知ることができます。
まとめ|『ばけばけ』を見た人、読むネガイマス
『思い出の記』は、小泉セツの視点から、小泉八雲と過ごした日々を振り返った回想記です。
本書を読んで特に印象に残ったのは、八雲の繊細さと、そんな八雲を温かく受け止めたセツの姿でした。
『ばけばけ』を見ながら「ヘブン先生、かなり神経質だなあ」と思っていましたが、実際の八雲にも、物音や周囲の環境に敏感で、感情を大きく動かされる一面があったようです。
一方で、その豊かな感受性があったからこそ、日本の怪談や日常の小さな美しさに心を動かされ、多くの作品を残せたのだと思います。
また、八雲の性格を理解して支えたセツは、妻であるだけでなく、作品づくりに欠かせない協力者でもありました。
二人の少し不器用で温かな会話からは、ドラマで感じた以上に仲の良い夫婦だったことが伝わってきます。
古い言葉には少し読みにくさもありましたが、ドラマで見たヘブン先生とおトキさんを重ねながら、楽しく読むことができました。
『ばけばけ』が好きだった人なら、きっと「これ、あのシーンのことかな?」と思う場面に出会えるはずです。
最後に、ヘルンさん言葉風に言えば、
「とても面白いの本です。『ばけばけ』を見た人、読むネガイマス」
という一冊でした。