朝ドラ『風、薫る』第21週「定めと選択」では、りん(見上愛)とシマケン(佐野晶哉)が別々の道を歩むことになりました。
りんは「一緒に生きていきたい」と伝えたものの、シマケンはその手を離し、浜松へ向かいます。
別れという判断自体は理解できました。
ただ、長い間二人の恋愛を描いてきたわりに、終わり方があまりにもあっさりしていたように思います。
そして、シマケンがいなくなったと思ったら、物語は突然2年後へ。
別れた直後のりんの気持ちがほとんど描かれず、環も大きくなっていたため、視聴者としては少し置いていかれた感覚がありました。
今回は、りんとシマケンの別れや急な時間経過、恋愛相手としてのシマケンの役割について書きます。
▼前週の感想はこちら
【朝ドラ『風、薫る』第20週感想】直美と小川が結婚!戦争の足音に不安も【ネタバレ】
『風、薫る』第21週「定めと選択」あらすじ
りんは派出看護の仕事に励みながら、小説の執筆に専念するシマケンを支えていました。
やがてシマケンの小説が新聞で連載されることになり、二人は喜びを分かち合います。
一方、りんはリウマチを患う佳枝(相田翔子)の派出看護を担当。手のこわばりによって食事が難しくなった佳枝のために、食べやすくなるよう道具を工夫します。
そんななか、実家の事情から浜松へ戻ることになったシマケンは、りんに一緒に来てほしいと伝えました。
りんも一緒に行きたいと答えますが、しのぶ(木越明)が辞めたばかりの恵風看護婦会や家族のことを考えると、すぐに東京を離れることはできません。
シマケンは、りんには看護婦としてやるべきことがあると考え、別れを決断します。
りんはもう一度シマケンのもとを訪ねますが、すでに部屋は空っぽになっていました。
そして物語は、シマケンが去ってから2年後へ。戦争の足音が近づくなか、りんと直美(上坂樹里)は変わらず看護婦として働いていました。
シマケンとの別れがあまりにもあっさりしていた
今週、最も気になったのは、りんとシマケンの別れです。
シマケンは、看護婦として多くの人から必要とされているりんを見て、自分と一緒に浜松へ連れていくべきではないと考えました。
さらに、実家の後始末にりんを巻き込みたくないという思いもあったようです。
別れを選んだ理由自体は理解できます。
ただ、それならなぜ最初に「一緒に浜松へ来てほしい」と伝えたのでしょうか。
シマケンに誘われたりんは、仕事や家族のことに悩みながらも、最後は「一緒に生きていきたい」と覚悟を決めました。
それなのに、今度はシマケンのほうから「一緒に生きていくべきではない」と別れを告げています。
りんの看護を大切にしたいのであれば、浜松へ誘う前に考えてほしかったです。
一度は期待させておきながら、りんが気持ちを決めたあとに自分から手を離す。その姿には、シマケンの頼りなさを感じてしまいました。
しかも、シマケンは実家の事情をりんに話していません。
りんは本当の理由を知らないため、二人で解決策を考えることもできませんでした。
シマケンなりに、りんを思っての決断だったのでしょう。
ただ、長く二人の恋愛を描いてきた結末としては、「二人の関係はそんなものだったのか」と感じるほど、あっさりしていたように思います。
せめて「必ず迎えに来る」と言ってほしかった
シマケンには、せめて再会を約束する言葉を残してほしかったです。
今すぐ一緒に浜松へ行くことが難しいのであれば、
「必ず迎えに来るから待っていてほしい」
と伝えることもできたのではないでしょうか。
それなら、今は別々の道を進んでも、二人の関係には未来が残ります。
ところが、シマケンが伝えたのは「りんさん、さよなら」という別れの言葉でした。
もちろん、りんを実家の問題に巻き込みたくないという気持ちは分かります。
ただ、事情を説明せず、今後について話し合うこともなく、一方的に関係を終わらせる必要があったのでしょうか。
シマケンなりに悩んだ末の決断だったと思います。
それでも、これまで恋愛相手として頼りなさを感じる場面が多かっただけに、最後までその印象を変えられませんでした。
まだ今後、シマケンが再登場する可能性はあります。
ただ、現時点では、長く描いてきた二人の恋愛の結末として物足りなさが残りました。
このドラマにシマケンは必要だったのか?
今回の別れを見て、「このドラマにシマケンは必要だったのだろうか」とも考えてしまいました。
もちろん、りんが看護婦として悩んだとき、その話を聞いてくれる良い相談相手ではありました。
りんが周囲には話しにくい気持ちを打ち明けられる、貴重な存在だったと思います。
ただ、恋愛相手として魅力的だったかと聞かれると、個人的には最後まであまり感じられませんでした。
シマケンとの関係は、なかなか進展しない状態が長く続きます。
ようやく二人の気持ちが通じた直後に、シマケンは一方的に別れを決め、そのまま浜松へ行ってしまいました。
恋愛に多くの時間を使ったわりに、それがりんの人生に何を残したのかも、現時点ではよく分かりません。
第20週の感想でも書きましたが、個人的に見たいのは、恋愛よりもりんと直美が看護に向き合う姿です。
シマケンとの恋愛をここまで長く描くのであれば、二人の関係がりんの人生に何を残したのか、もう少し丁寧に見せてほしかったです。
別れたと思ったら、いきなり2年後
シマケンとの別れ以上に戸惑ったのが、その直後の時間経過です。
シマケンのもとへ向かったりんは、すでに空っぽになった部屋を見て、二人の別れを受け入れることになります。
そこから、物語はいきなり2年後へ進みました。
シマケンと別れた直後、りんがどのように気持ちを整理したのか。
看護の仕事に打ち込むなかで、シマケンをどう思い続けていたのか。
その過程がほとんど描かれなかったため、気持ちが追いつきませんでした。
環もいつの間にか大きくなっており、登場人物たちの変化にも驚きます。
物語が残り1か月ほどとなり、戦争の時代を描く必要があることは分かります。
それでも、りんにとって大きな出来事だったはずの別れを、もう少し丁寧に描いてから時間を進めてほしかったです。
戦争の足音が近づく
2年後、りんと直美は変わらず看護婦として働いていました。
しかし、二人を取り巻く空気は大きく変わり、戦争の足音が近づいています。
虎太郎(小林虎之介)は朝鮮へ向かうことになり、多江(生田絵梨花)も新たな決断をしました。
前週では、軍人である小川(甲斐翔真)の今後が心配だと書きましたが、いよいよ戦争が登場人物たちの人生に直接影響を与えそうです。
ここから気になるのは、戦争と看護の物語がどのように結びつくのか。
負傷者が増えて看護婦が必要とされる一方、戦争によってりんや直美の家族も危険にさらされるかもしれません。
物語の終盤で、二人が看護婦として何を選ぶのかに注目したいです。
第22週への期待
第22週では、戦争と看護がどのように結びついていくのかが気になります。
これまで『風、薫る』では、病院や派出看護を通して、目の前の患者に寄り添う姿が描かれてきました。
しかし、戦争が始まれば、看護婦を取り巻く状況も大きく変わるはずです。
りんと直美は戦争にどう向き合い、看護婦としてどのような選択をするのでしょうか。
また、軍人である小川の今後も心配です。
シマケンとの恋愛が一区切りとなった今、物語の中心が看護へ戻ることを期待しています。
まとめ|別れたと思ったら2年後で、気持ちが追いつかなかった一週間
第21週では、りんとシマケンが別々の道を歩むことになりました。
シマケンが、看護婦として多くの人から必要とされているりんのために身を引いたことは理解できます。
ただ、それなら最初から「一緒に浜松へ来てほしい」と言わないでほしかったです。
シマケンに誘われ、悩んだ末に「一緒に生きていきたい」と答えたりんに対し、実家の事情を説明しないまま別れを告げたことには納得できませんでした。
せめて「必ず迎えに来る」という言葉があれば、印象も変わったと思います。
さらに、別れた直後のりんの心情を十分に描かないまま、物語はいきなり2年後へ。
シマケンがいなくなり、環が大きくなっていたため、気持ちが追いつきませんでした。
まだシマケンが再登場する可能性はあります。
それでも第21週は、別れたと思ったら2年後になり、視聴者だけが置いていかれたように感じる一週間でした。