映画『トイ・ストーリー5』感想|子どもの頃とは違う目線で響いた理由【ネタバレあり】

『トイ・ストーリー』シリーズは、子どもの頃から観てきた大好きな作品です。

『1』『2』を観ていた頃は、ウッディやバズたちの冒険を純粋に楽しんでいました。

大学生の頃に観た『3』では、成長しておもちゃから離れていくアンディと自分の年齢が近かったこともあり、子どもの頃との別れを描いた物語として強く心に残りました。

一方、『4』は観たものの、正直に言えば内容があまり印象に残っていません。

そのため、『トイ・ストーリー5』に期待しながらも、「これ以上続けて、本当に面白くなるのだろうか」という不安もありました。

しかし、観終わったあとに最初に浮かんだのは、次の言葉です。

「これこれ、これがトイ・ストーリーだよ」

子どもの頃に観たシリーズらしい楽しさがありながら、30代になった今だから考えさせられる部分もありました。

この記事では、『トイ・ストーリー5』を観た率直な感想と、子どもの頃とは違う目線で響いた理由を書きます。

※ここから先は物語の結末を含むネタバレがあります。

30秒で結論

評価:4.1/5.0

『トイ・ストーリー5』は、シリーズらしい冒険と温かさを楽しめる作品でした。

タブレットの登場によって、おもちゃたちは「自分たちはもう必要とされていないのではないか」という不安を抱きます。

ただ、デジタル機器を悪者として終わらせるのではなく、昔ながらのおもちゃにも、新しい技術にも、それぞれの役割があると描いたところが良かったです。

子どもの頃はウッディやバズの冒険にワクワクしていましたが、30代になった今は、時代や環境が変わる中で自分の役割を探すおもちゃたちの姿が心に残りました。

個人的には、『トイ・ストーリー3』に匹敵するくらい好きな作品です。

この映画はこんな人におすすめ

  • 『トイ・ストーリー』シリーズが好きな人
  • 『4』が少し物足りなかった人
  • ウッディとバズのコンビをもう一度観たい人
  • 子どもの頃にシリーズを観ていた大人
  • 家族で楽しめる映画を探している人

作品情報

項目内容
公開日2026年7月3日
上映時間102分
監督アンドリュー・スタントン
共同監督ケナ・ハリス
製作ピクサー・アニメーション・スタジオ
配給ウォルト・ディズニー・ジャパン

あらすじ【ネタバレなし】

ボニーの成長をそばで見守ってきたジェシーやバズたち。

しかし、ボニーのもとにカエル型のタブレット「リリーパッド」がやってきたことで、おもちゃたちの日常は大きく変わります。

リリーパッドに夢中になり、以前のようにおもちゃで遊ばなくなっていくボニー。

「自分たちは、もう必要とされていないのではないか」

不安を抱いたジェシーは、仲間たちを救うため、ウッディに助けを求めます。

子どもの頃から観てきたからこそ、感じ方の変化が面白かった

私が『トイ・ストーリー』シリーズから受け取ったものは、観た年齢によって変わっています。

観た時期印象に残ったこと
子どもの頃に観た『1』『2』おもちゃたちの冒険と友情
大学生の頃に観た『3』大人になることと、子ども時代との別れ
30代で観た『5』環境が変わる中で、自分の役割をどう見つけるか

子どもの頃は、ウッディやバズが動き回るだけで楽しかった記憶があります。

「自分のおもちゃも、見ていないところでは動いているかもしれない」

そんな想像をしながら観られることが、このシリーズの魅力でした。

『3』を観た頃には、私自身も子どもではなくなっていました。

アンディがウッディたちと別れる姿を見て、遊ばなくなったおもちゃや、戻ることのできない子ども時代を思い出しました。

そして、30代になって観た『5』で気になったのは、ボニーよりもおもちゃたちの気持ちです。

新しいものが登場し、それまで必要とされていた存在の役割が小さくなっていく。

それでも、自分たちにできることを考え、ボニーを笑顔にしようとする姿に、子どもの頃とは違う角度から心を動かされました。

ここからネタバレあり

ここからは、『トイ・ストーリー5』の展開や結末に触れます。

未鑑賞の方はご注意ください。

「これがトイ・ストーリーだ」と思えた

今作でまずうれしかったのは、ウッディとバズが再び一緒に冒険する姿を観られたことです。

正直、『4』は観たはずなのに、内容をあまり覚えていません。

ウッディが自分の生き方を選んだ物語として理解はできましたが、私が観たかった『トイ・ストーリー』とは少し違いました。

今作では、ウッディ、バズ、ジェシーが力を合わせ、ボニーと仲間たちのために動きます。

もちろん状況はこれまでと違います。それでも、仲間同士の掛け合いや、それぞれの得意なことを生かして危機を乗り越えていく展開には、シリーズらしさがありました。

観終わったあとに「これこれ」と思えたのは、昔と同じ物語だったからではありません。

登場人物や時代が変わっても、「子どもを笑顔にしたい」というおもちゃたちの目的が変わっていなかったからだと思います。

30代の今は「必要とされなくなる怖さ」に目が向いた

子どもの頃の私は、おもちゃたちが人間に見つからないか、無事に持ち主のもとへ帰れるかという冒険に夢中でした。

しかし、30代になった今作で気になったのは、おもちゃたちが感じる「もう必要とされないかもしれない」という不安です。

ボニーは成長し、リリーパッドに夢中になります。

以前のように遊んでもらえなくなったジェシーたちが焦るのは、単にタブレットが嫌いだからではありません。

自分たちが大切にしてきた役割を、新しい存在に奪われるように感じたからです。

新しいものが登場したからといって、それまで存在していたものの価値がなくなるわけではありません。

しかし、必要とされる場面が減れば、「自分にはもう役割がないのではないか」と不安になるのは自然なことだと思います。

子どもの頃なら、ここまでおもちゃたちの焦りに目を向けなかったはずです。

環境が変わっても、自分にできることを探そうとする姿が、30代になった今は強く印象に残りました。

デジタル対おもちゃだけで終わらなかったのが良かった

予告を観た段階では、「タブレットは悪いもの、昔ながらのおもちゃは良いもの」という単純な話になるのではないかと思っていました。

しかし、実際はそうではありませんでした。

友達の子どもを見ていても、YouTubeやゲームを楽しむ一方で、人形やブロックでも遊んでいます。

大人から見ると画面を見ている時間が気になることはありますが、デジタル機器そのものが悪いわけではありません。

使い方や付き合い方が大切なのだと思います。

今作でも、リリーパッドはボニーを画面に縛りつける存在として登場しますが、最後まで倒すべき悪者として扱われるわけではありません。

昔ながらのおもちゃにも、デジタルのおもちゃにも、子どもを楽しませたり、人とつなげたりする力があります。

どちらかを否定するのではなく、共存する道を選んだ結末に納得できました。

ボニーが友達とつながりたい気持ちも分かる

ボニーがリリーパッドに夢中になった背景には、単に新しい機器が面白かったというだけでなく、周囲の友達とつながりたい気持ちもあったように思います。

友達と同じ話題や遊びを共有して、仲間に入りたい。

子どもの頃なら、そう思うのは不思議ではありません。

一方で、周囲に合わせることばかりを優先すると、自分が本当に好きだったものを隠してしまうこともあります。

最後にボニーが、自分と同じようにおもちゃで遊ぶことが好きな友達と出会えた場面が良かったです。

無理に全員へ合わせなくても、自分の好きなものを一緒に楽しめる相手はいる。

大人になっても忘れたくない、優しいメッセージだと感じました。

『3』とは違う方向から、大人になった自分に響いた

私の中で、シリーズ最高傑作は今でも『トイ・ストーリー3』です。

『3』を観たとき、私はアンディとほぼ同じ年代でした。

大人になり、子どもの頃に大切だったものから離れていく寂しさを、自分のことのように感じました。

『3』が描いていたのは、手放すことや別れを受け入れる物語だったと思います。

一方、『5』で描かれていたのは、環境や遊び方が変わっても、関係を完全に終わらせる必要はないということでした。

遊んでもらえる時間が減っても、おもちゃと過ごした記憶まで消えるわけではありません。

新しいものが増えても、古いものにしか与えられない楽しさがあります。

『3』を超えたとは言いません。

物語の完成度や感情を揺さぶられた大きさでは、今でも『3』が一番です。

それでも、『5』は30代になった今の自分に合う形で、『トイ・ストーリー』の魅力をもう一度思い出させてくれました。

その意味で、私にとっては『3』に匹敵するくらい好きな作品です。

気になったところ

大きな不満はありませんが、過去作を観てきた人と、今作から初めて観る人では、受け取る感動にかなり差がありそうです。

ウッディとバズの再会や、ジェシーがボニーを思う気持ちは、これまでの関係を知っているからこそ響きます。

単体の映画としても楽しめますが、少なくとも『3』『4』を観てからのほうが、登場人物の立場を理解しやすいと思います。

また、「タブレットとの付き合い方」というテーマは現代的で分かりやすい反面、もう少し深く掘り下げてほしい部分もありました。

それでも、デジタル機器を一方的に否定せず、共存という答えへ向かった点には満足しています。

まとめ|同じシリーズでも、観る年齢によって響くところが変わる

『トイ・ストーリー5』は、昔ながらのおもちゃとデジタル機器の対立を描くだけの作品ではありませんでした。

変化する環境の中で、おもちゃたちが自分の役割を考え、もう一度ボニーのために動き出す物語です。

子どもの頃は、ウッディやバズの冒険を楽しみました。

大学生の頃に観た『3』では、アンディとの別れに自分の成長を重ねました。

そして30代になって観た『5』では、必要とされる形が変わっても、それまで積み重ねた時間や価値まで消えるわけではないと感じました。

同じシリーズを長く観てきたからこそ、自分の年齢による感じ方の変化まで楽しめたのだと思います。

『4』を観たあとには、続編へ少し不安もありました。

それでも今作を観終えたあとは、素直に「またトイ・ストーリーを観られて良かった」と思えました。

評価:4.1/5.0

映画『トイ・ストーリー5』公式サイト

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