【朝ドラ『ブラッサム』第2週感想】清治の「死にとうない」と、父から解放された珠【ネタバレ】

朝ドラ『ブラッサム』第2週「父からの、解放」では、珠(石橋静河)の父・清治(渡部篤郎)が亡くなりました。

もう退場するのか……という驚きはありましたが、最期の「死にとうない」は強烈でした。

その前に口にした、

「わしは、結局、何も……」

という言葉も気になります。

何も成し遂げられなかったのか。何者にもなれなかったのか。それとも、ほかのことを言おうとしたのか。

答えは分かりません。

ただ、好き勝手に生きているように見えた清治にも、自分の人生への後悔があったのかもしれません。

父を亡くした珠は、「好きなことをする」と決めました。

まさに「父からの、解放」でしたが、珠の変化は、嫁入り先から逃げ帰ったときにはすでに始まっていたように思います。

今回は、珠の結婚と逃亡、清治の最期、父がいなくなった葉野家の変化について書きます。

『ブラッサム』第2週「父からの、解放」あらすじ

大正2年。

女学校に通う珠は、角田忍(木竜麻生)たちと同人誌『黎明』を作ります。

珠が書いたのは、継母のリョウ(国仲涼子)をモデルにした小説。

『黎明』は同級生の間で評判になりますが、良妻賢母の教育方針に反すると学校から叱られ、廃刊になってしまいました。

一方、清治は本家から、生活費の援助は翌月に迎える先代の17回忌までの約束で、それ以降は出せないと告げられます。

清治は本家へ乗り込んで頭を下げますが、弟の清重(三浦誠己)に追い返されました。

その後、清治は珠に縁談を持ちかけます。

父の決めた相手と結婚した珠でしたが、夫には色町で以前からひいきにしている女性がいました。

結婚の事情を知った珠は、嫁入り先から逃げて実家へ戻ります。

その後、清治が重い病を隠していたことが判明。

死期を悟った清治は自分の幻を見て錯乱し、町へ飛び出します。

追いかけてきた珠を抱きしめ、「死にとうない」と繰り返したあと、清治は亡くなりました。

嫁入り先から逃げた珠に驚いた

清治から縁談を告げられた珠は、断りませんでした。

忍から反対されても、「うちはうれしいんよ」と言い張ります。

当時、父親が娘の縁談を決めること自体は珍しくなかったのでしょう。

珠も、父が決めた相手と結婚するものだと受け入れていました。

ところが、嫁入り先で夫が自分に関心を示さず、色町にひいきの女性がいると知った珠は、その家から逃げ出します。

これは少し意外でした。

これまでの珠なら、父が決めた結婚だからと我慢していた気がします。

でも今回は、家を飛び出した。

珠が初めて、自分の気持ちを優先した場面だったと思います。

実家へ戻った珠は、清治に怒鳴られることを覚悟していました。

しかし、清治は「わかった」と答えただけ。

清治、怒らないんだ。

そこも意外でした。

珠が父の決めた道から外れ、清治もそれを受け入れた。

父の死を待たずに、二人の関係は少しずつ変わり始めていたのかもしれません。

最後まで、とんでもない清治だった

清治は、自分自身の幻におびえ、包丁を手に町へ飛び出しました。

怖いというより、

「改めて、とんでもない人だな……」

と思いました。

病気で弱っていても、最期まで家族を振り回します。

そんな清治を珠とリョウが必死に追いかけました。

ようやく珠に追いつかれた清治は、

「わしは、結局、何も……」

と言いかけます。

あの続きを、清治は何と言おうとしたのでしょう。

何も成し遂げられなかった。

何も残せなかった。

自分の思いどおりに生きてきたつもりが、振り返ると何もなかった。

いろいろ考えられますが、最後まで答えは明かされませんでした。

だからこそ、気になります。

そのあとに続いたのが、

「死にとうない」

という言葉でした。

家族の前でずっと偉そうに振る舞ってきた清治が、最後に見せたのは、死ぬのが怖いという本音でした。

錯乱して町を走り回る姿から、珠にしがみつく姿まで、渡部篤郎さんの演技は圧巻でした。

清治という人物を、第2週だけで忘れられない父親にしてしまったのはすごいです。

父が死んで、せいせいするのも無理はない

清治が亡くなったあと、珠はリョウに、

「お父様が死んだいうのに、心がせいせいしよる」

と話しました。

その気持ちは分かります。

父親が亡くなった悲しさはある。

でも、もう怒鳴られなくていい。自分の人生を勝手に決められることもない。

珠にとっては、悲しみだけで終われる父娘関係ではありませんでした。

そんな珠に、リョウは「それでええんよ」と伝えます。

清治と長く暮らしてきたリョウだからこそ、珠が解放感を覚えることも分かっていたのでしょう。

「お外で遊んでええん?」がつらかった

年が明けると、梅(松本穂香)が羽子板を持って葉野家へ遊びに来ました。

そこで珠の弟妹たちが、

「お外で遊んでええん?」

と尋ねます。

この一言がつらかったです。

子どもが外で遊ぶことさえ、清治がいる家では当たり前ではなかったのでしょう。

リョウから許しをもらい、外で羽根つきを楽しむ珠たち。

明るい場面でしたが、それ以上に、清治がいなくなった葉野家の空気の変化を感じました。

珠だけでなく、弟妹たちも父から解放されたのだと思います。

清治は、珠が自分の道を決めるきっかけにもなった

梅からこれからどうするのかと聞かれた珠は、

「うちね、好きなことをすることにしたんよ」

と答えました。

清治のおかげ、とは言いたくありません。

それでも珠が「自分の人生は自分で決めたい」と強く思うようになった背景には、清治の存在がありました。

父の決めた相手と結婚し、その結婚から自分の意思で逃げた。

そして父を失ったあと、好きなことをして生きると決めた。

珠を支配してきた清治が、結果的に、珠が自分の道を選ぶきっかけにもなったのでしょう。

「父からの、解放」は、清治が亡くなった瞬間に突然始まったわけではありません。

嫁入り先から逃げ出したとき、珠はすでに自分の人生を歩き始めていたのだと思います。

第3週への期待|珠は何を選ぶのか

第3週「化粧と、初恋」では、珠が小学校で働き始めます。

予告には、同僚教師の島村(工藤阿須加)の姿もありました。

父から解放され、「好きなことをする」と決めた珠。

ここから物書きへの道がどのように始まるのか楽しみです。

まとめ|まさに「父からの、解放」だった

第2週では、珠が父の決めた相手と結婚し、嫁入り先から逃げ帰りました。

父に逆らえなかった珠が、初めて自分の気持ちを優先した場面だったと思います。

そして清治は、

「わしは、結局、何も……」

「死にとうない」

という言葉を残して亡くなりました。

父の死後、「好きなことをする」と決めた珠。

羽子板を手に外へ出た弟妹たちも含めて、まさに「父からの、解放」だった一週間でした。

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