『豊臣兄弟!』第37回感想|正勝、ありがとう。笑い声の中で知らされた最期

※この記事には、第37回「秀長の国」のネタバレがあります。

『豊臣兄弟!』第37回「秀長の国」は、大和一国を与えられた秀長が、新たな国づくりを始める回でした。

ただ、正直に言うと、今週は開始10分がピークでした。

蜂須賀正勝(高橋努)、前野長康(渋谷謙人)、秀吉(池松壮亮)、秀長(仲野太賀)の4人が酒を飲み、昔からの仲間たちも加わって、みんなでわちゃわちゃする。

楽しく見ていたところへ、正勝が半年後に亡くなったことがナレーションで伝えられました。

正勝、ありがとう。

物語の初期から豊臣兄弟を支えてきた人が、また一人いなくなってしまった。

今回は、その寂しさが一番残りました。

前回、第36回では、長宗我部元親の内にある「鬼」と、四国攻めを終わらせた秀長の言葉について書きました。

【あわせて読みたい】
→ 『豊臣兄弟!』第36回「姫若子と鬼若子」感想

第37回「秀長の国」のあらすじ

関白となった秀吉は、四国攻めの恩賞として秀長に大和一国を与えます。

大和郡山城へ入った秀長は、新たな家臣たちと国づくりを始めました。

しかし、大和では興福寺をはじめとする寺社勢力が大きな力を持っています。

領民が田の広さに見合わない年貢を納めていることを知った秀長は、検地を行い、適正な額へ改めようとしました。

ところが、寺社だけでなく、仏罰を恐れる領民からも反発されてしまいます。

その一方、秀吉から阿波一国を与えられた蜂須賀正勝は、自分ではなく、息子の家政に与えてほしいと願いました。

正勝、ありがとう

今回、一番良かったのは、正勝、長康、秀吉、秀長の4人で酒を飲む場面です。

秀吉は関白となり、秀長も大和一国を治める大名になりました。

出会ったころとは比べものにならないほど、二人の立場は大きくなっています。

それでも4人で集まると、昔と変わらない空気がありました。

正勝が酒を飲み、長康が隣にいて、秀吉と秀長も一緒に笑う。

その後は昔からの仲間たちも加わり、みんなで楽しそうに騒いでいました。

そんな場面の途中で、正勝が半年後に亡くなったことがナレーションで伝えられます。

みんなが楽しそうに騒いでいるなかで、あまりにもさらっと告げられた正勝の死。

最期の瞬間を描かず、仲間たちと笑っている姿が正勝の最後の登場になりました。

寂しさはありますが、あの楽しそうな正勝を最後に見られたのは良かったです。

正勝は、秀吉と秀長がまだ何者でもなかったころから、二人を支えてきました。

墨俣の一夜城をはじめ、何度も無茶な戦いや作戦に付き合っています。

前回も、変わっていく秀吉に対して、正勝は「わしが惚れた男か」と真正面から問いかけていました。

秀吉の周りに新しい家臣が増えていくなかで、正勝は昔の藤吉郎を知る数少ない仲間です。

だからこそ、正勝がいなくなったことが寂しい。

高橋努さんが演じた正勝は、強面なのにどこかかわいらしく、登場するだけで場を明るくしてくれる人物でした。

長康とのやり取りも好きだったので、もう見られないと思うと残念です。

大和の国づくりは、正直あまり刺さらなかった

今回から、秀長による大和の国づくりが始まりました。

秀長が主人公なので、領主としてどのような国をつくっていくのかを描く必要があるのは分かります。

ただ、正直に言うと、今回はあまり面白いとは思えませんでした。

興福寺の力が強い大和で検地を行い、領民が納める年貢を適正な額にしようとする秀長。

領民のために進めたことなのに、寺社だけでなく、仏罰を恐れる領民からも反発されます。

話の内容は分かりやすかったのですが、物語に引き込まれるところまではいかず、全体的に少しチープな印象を受けました。

また、今回から登場した秀長の娘・末の場面も、芝居が軽く見えてしまいました。

正勝たちの場面が良かっただけに、その後は余計に物足りなく感じたのかもしれません。

それよりも気になったのは、出演している俳優たちです。

石川清兵衛を演じる伊藤健太郎さんを見て、『光る君へ』の双寿丸を思い出しました。

さらに、末の侍女・むぎを演じる信川清順さんも、『光る君へ』で惟規の乳母・いとを演じていた方です。

双寿丸に続いて、いとまで出てきた。

興福寺の使者・盤覚を演じる坂口涼太郎さんと、秀長の家臣・羽田正親を演じる平埜生成さんを見れば、今度は『風、薫る』の藤田先生と黒川先生を思い出します。

そういえば前回は、『風、薫る』で木村先生を演じている前野朋哉さんも登場していました。

大和の国づくりを見るはずが、『光る君へ』と『風、薫る』ばかり思い出してしまいました。

まだ始まったばかりなので、秀長が大和で何を成し遂げるのかは気になります。

ただ今回は、国づくりの話よりも、冒頭の正勝たちをもっと見ていたかったです。

茶々の場面は、まだしっくりこない

茶々については、今回の三成との会話だけではなく、登場してからずっと、芝居の軽さが少し気になっています。

市の娘であり、のちに豊臣家の運命を左右する人物なので、もう少し重みのある雰囲気を想像していました。

そのため、今のところは茶々が登場すると、場面が急に軽く見えてしまいます。

ただ、この作品がどこまで描かれるのかは分かりません。

秀長の死とともに物語が終わるのであれば、茶々が本格的に豊臣家の中心となる時代までは描かれず、そこまで大きな役割ではないのかもしれません。

まだ登場して間もないので、今後の物語のなかで印象が変わることにも期待したいです。

また、茶々と石田三成(松本怜生)が話す場面では、豊臣秀頼の実父は三成だったという説を思い出しました。

もちろん、史実として裏づけられた話ではなく、後世に語られてきた俗説です。

秀長の死までを描くのであれば、秀頼が生まれるのはその後なので、この説が物語に直接関わることはなさそうです。

それでも茶々と三成が二人で話していると、あえてその説を意識させているのかと想像してしまいました。

おわりに

第37回「秀長の国」は、大和を与えられた秀長が、領主として新たな一歩を踏み出す回でした。

しかし、今回一番心に残ったのは、やはり蜂須賀正勝です。

正勝、長康、秀吉、秀長の4人で酒を飲み、昔からの仲間たちも一緒になって騒ぐ。

その楽しそうな光景のなかで、正勝が半年後に亡くなったことを知らされました。

豊臣兄弟が出世し、周囲の顔ぶれが変わっていくなかで、昔から二人を支えてきた仲間がまた一人いなくなってしまった。

開始10分で、すっかり正勝ロスです。

その後の大和の国づくりは、まだ導入とはいえ、正勝の場面のあとでは物足りなく感じました。

正勝、ありがとう。

高橋努さんが演じる蜂須賀正勝を、もう少し見ていたかったです。

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『豊臣兄弟!』第36回感想|姫若子と鬼若子。長宗我部元親が魅力的だった

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