Netflix映画『This is I』感想|エアあややの明るさの裏にあった人生

Netflix映画『This is I』を観ました。

高校生のころにテレビで観ていた、はるな愛さん。

「エアあやや」の印象が強く、元気で明るい人というイメージを持っていました。

だからこそ、この映画で描かれた、あの姿にたどり着くまでの人生には考えさせられるものがありました。

正直に言うと、学生時代を描いた前半は少し退屈でした。

もっとつらい出来事や葛藤があったはずなのに、展開が早く、表面的に見えてしまったからです。

一方、アイが自分の居場所を見つけ、和田医師やタクヤと出会う後半は面白くなりました。

2時間10分の映画としてはまとまっていますが、連続ドラマでもっとじっくり観たかった作品です。

★30秒で結論

評価:★★★★☆ 4.0

『This is I』は、テレビで観ていたはるな愛さんの明るさの裏に、私が知らなかった人生があったことを知る映画でした。

望月春希さんが演じる、孤独を抱えたケンジから、自分の居場所を見つけて輝き始めるアイへの変化が印象的です。

前半の学生時代は駆け足で、もう少し深く描いてほしかったのが本音。

ただ、後半は家族やタクヤとの関係、性別適合手術に向き合った和田医師の覚悟など、見応えのある人間ドラマになっていました。

「エアあやや」を知っている同世代には、特に観てほしい一本です。

この映画はこんな人におすすめ

  • はるな愛さんや「エアあやや」を知っている同世代
  • 実話をもとにした人間ドラマが好きな人
  • 自分らしく生きることに悩んでいる人
  • 家族や周囲との関係を描いた作品が好きな人
  • 昭和・平成の懐かしい音楽を楽しみたい人

逆にこんな人にはおすすめしにくい

  • テンポの速い作品を観たい人
  • 学生時代をじっくり描いた伝記映画を期待している人
  • 性別適合手術に関する描写が苦手な人

作品情報

項目内容
作品名This is I
配信開始日2026年2月10日
上映時間2時間10分
ジャンルヒューマンドラマ/実話をもとにした映画
監督松本優作
脚本山浦雅大
企画鈴木おさむ
主な出演望月春希、木村多江、千原せいじ、中村 中、吉村界人、MEGUMI、中村獅童、斎藤工
配信Netflix

本作は、はるな愛さんの著書『素晴らしき、この人生』と、和田耕治さん・深町公美子さんの著書『ペニスカッター 性同一性障害を救った医師の物語』を参考に制作されています。

作品情報はNetflix公式サイトNetflix公式ニュースを参考にしています。

あらすじ(ネタバレなし)

「聖子ちゃんのようなアイドルになりたい」という夢を持つ少年・ケンジ。

しかし、学校では周囲の偏見や心ない言葉に傷つけられ、家族にも本当の気持ちを打ち明けられずにいました。

やがてケンジはショーパブに自分の居場所を見つけ、「アイ」としてステージに立ち始めます。

そこで出会ったのが、過去に救えなかった患者への思いを抱える和田医師でした。

アイの苦しみを知った和田医師は、当時の日本では大きな壁があった性別適合手術と向き合うことになります。

※ここからは映画の内容に一部触れています。重大な結末には触れていませんが、未鑑賞の方はご注意ください。

良かったところ

孤独を抱えたケンジから、輝くアイへの変化

最も印象に残ったのは、ケンジ/アイを演じた望月春希さんです。

学生時代のケンジからは、周囲に理解されない孤独や、自分の気持ちを表に出せない繊細さが伝わってきました。

そんなケンジがショーパブに居場所を見つけ、「アイ」としてステージに立つようになると、表情まで変わっていきます。

ただ服装や名前が変わったのではありません。

自分を隠さなくてもいい場所に出会い、少しずつ本来の明るさを取り戻していく。

孤独を抱えた少年から、周囲を明るくするアイへと変化していく姿に説得力がありました。

はるな愛さんの明るさの見え方が変わった

私がはるな愛さんをテレビでよく観ていたのは、高校生のころでした。

「エアあやや」で楽しそうに踊る姿が印象的で、元気で明るい人だと思っていました。

映画を観て、その明るさにたどり着くまでに、周囲の偏見や自分の身体への違和感、家族との葛藤があったことを知りました。

もちろん、一人の人生を「苦労した」という言葉だけでまとめたくはありません。

それでも、テレビで観ていたあの明るさが、何も悩まずに生まれたものではなかったと知り、はるな愛さんの見え方が変わりました。

母親も戸惑いを抱えていた

家族との関係で特に心に残ったのは、母親が東京で暮らすアイを訪ねる場面です。

母親は最初からすべてを理解し、迷いなく受け入れられたわけではありません。

アイを大切に思いながらも、どう向き合えばいいのか分からない。母親自身も戸惑いや苦しさを抱えていました。

だからこそ、単純に「理解のある母親」として描かれていないところが良かったです。

本人だけでなく、家族も悩みながら少しずつ関係をつくり直していく。その過程が印象に残りました。

タクヤとの関係が切なかった

タクヤは、アイを特別な存在としてではなく、一人の人として見てくれた人物です。

二人が心を通わせていく姿には、温かさがありました。

一方で、その関係は幸せだけでは終わりません。

アイが望んでいた姿に近づいたからこそ生まれる喜びと、「以前の自分は愛されていなかったのか」という寂しさ。

その両方が描かれていたことに、単純な恋愛成就では終わらない切なさを感じました。

序盤に登場する言葉とも重なり、アイにとって「愛されること」と「自分らしく生きること」が簡単には切り離せないものだったことが伝わってきます。

和田医師の決断と覚悟

斎藤工さんが演じる和田医師は、当時大きな壁のあった性別適合手術に踏み出します。

医師としての立場や周囲からの批判、自分自身が背負う危険を考えれば、簡単にできる決断ではありません。

それでもアイの苦しみと向き合った和田医師の覚悟は、すごいと思いました。

ただし、アイと出会ってから決断するまでが早く、なぜ彼女のためにそこまで動いたのかは少し分かりにくかったです。

和田医師自身の過去や、決断に至るまでの葛藤をもう少し深く描いてほしかったと感じました。

気になったところ

学生時代の描写が駆け足だった

最も物足りなかったのは、ケンジの学生時代です。

学校での偏見やいじめ、家族に本当の気持ちを伝えられない苦しさは描かれています。

ただ、実際には映画で描かれた以上に、つらい出来事や葛藤がたくさんあったのではないかと思います。

そこが短くまとめられていたため、前半は少し表面的で、物語にも入り込みにくく感じました。

後半が面白かっただけに、学生時代からショーパブで居場所を見つけるまでを、もう少し時間をかけて観たかったです。

映画より連続ドラマで観たかった

2時間10分の映画として、はるな愛さんの学生時代から「エアあやや」で知られるまでをまとめた構成は見事でした。

それでも、扱っている人生に対して時間が足りないように感じます。

ケンジの学生時代、両親との関係、ショーパブでの生活、タクヤとの恋愛、和田医師が大きな決断をするまでの葛藤。

それぞれを連続ドラマでじっくり描けば、人物の行動や感情にさらに納得できたと思います。

つまらなかったというより、もっと長く観たかった作品です。

総評

Netflix映画『This is I』は、テレビで観ていたはるな愛さんの明るさの裏に、私が知らなかった人生があったことを知る映画でした。

正直、学生時代を描いた前半は駆け足で、少し退屈に感じます。

しかし、アイが自分の居場所を見つけ、家族やタクヤ、和田医師との関係が描かれる後半は見応えがありました。

特に印象的だったのは、望月春希さんの演技です。

孤独を抱えたケンジと、自分らしく輝き始めるアイ。その変化が自然に伝わってきました。

高校生のころ、何気なく笑いながら観ていた「エアあやや」。

その姿にたどり着くまでの人生を知ったことで、今後テレビではるな愛さんを観るときの印象も少し変わりそうです。

評価:★★★★☆ 4.0

30代男のひとこと

テレビで観ていたあの明るさの裏には、私が知らなかった人生があった。

「苦労した」という一言だけではまとめられない、はるな愛さんが自分らしく生きるまでの物語でした。

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