朝ドラ『風、薫る』が最終回を迎えました。
見終えた直後に思ったのは、
「いい終わり方だったな」
ということです。
りん(見上愛)と直美(上坂樹里)が切り開いた看護の道は、後輩たちへ受け継がれ、最後は現代の看護師へつながりました。
日本の看護の始まりを描いた二人の物語として、納得できる終わり方だったと思います。
Xを見ていると厳しい感想も目にしましたが、個人的にはそこまで悪い作品だったとは感じていません。
ただ、半年間を振り返ると、
「直美一人の物語でもよかったのでは?」
という思いは残りました。
今回は、ツヤやセツが看護婦になったこと、「看護とは何か」という問いへの答え、最終回のすごろく、そして作品全体について感じたことを書きます。
『風、薫る』第26週「道標」あらすじ
看護婦試験が近づき、ツヤ(東野絢香)やセツ(村上穂乃佳)たちは勉強に励んでいました。
りんと直美は、今井(古川雄大)やトメ(原嶋凛)を特別講師として招き、試験を受ける四人を支えます。
そんな中、ツヤから患者の変化に気づく方法を尋ねられたりんは、うまく答えることができません。
長年の経験で身につけた看護を、後に続く人へどう伝えるのか。
りんと直美は、改めて「看護とは何か」を考え始めます。
看護婦試験では、ツヤと敏江(和泉詩)が合格。セツとハル(今泉舞)は筆記試験に合格できませんでした。
その後、シマケン(佐野晶哉)の提案をきっかけに、りんは看護の実用書を書くことを決意します。
月日が流れ、りんが執筆した本が完成。セツも試験に合格し、看護婦になっていました。
最後は現代に移り、りんと直美を思わせる二人の看護師が登場して、物語は終わります。
ツヤとセツが看護婦になれて良かった
第25週から応援していたツヤが、無事に看護婦試験に合格しました。
帝都医大病院を辞めたあとも、ツヤは看護婦になることを諦めませんでした。
英語で書かれた看護の本を11年かけて読み切り、恵風看護婦会へ来てからも必死に勉強を続けます。
患者の小さな変化にどう気づけばよいのか、りんへ尋ねる姿も印象に残りました。
知識を覚えるだけでなく、自分で看護を考えようとしていたのだと思います。
ツヤに起きたことを見てきただけに、合格できて本当に良かったです。
最初の試験では不合格だったセツも、その後も挑戦を続け、最終回では看護婦になっていました。
一度で合格したツヤと、不合格を乗り越えて資格を取ったセツ。
二人がそれぞれの道で看護婦になれたことがうれしかったです。
「看護とは、今そこにあるもの」
ツヤから患者の変化に気づく方法を聞かれたりんは、すぐには答えられませんでした。
患者によって症状も性格も違います。
長く現場に立ってきたりんでも、簡単には言葉にできない質問だったのだと思います。
そんなりんがたどり着いたのが、
「看護とは、今そこにあるもの」
という答えでした。
私は、目の前の患者を見て、その人に必要なことを考えるという意味に受け取りました。
少し抽象的ですが、現代の看護にもつながる言葉だと思います。
最終回に現代の看護師が登場したのは、かなり直接的な演出です。
ただ、りんと直美が始めた看護が、形を変えながら今につながっていることが分かり、私は好きでした。
すごろくに「看護婦」が加わった
最終回では、安(早坂美海)、環(瀧七海)、明(西田一咲)がすごろくで遊んでいました。
そこには、絵師、教師、理髪師、電話交換手など、女性が就けるさまざまな仕事が描かれています。
その中には「看護婦」もありました。
りんと直美が看護の世界へ入った頃は、女性が自分で職業を選ぶこと自体が簡単ではありませんでした。
それが子どもたちの遊ぶすごろくに載るほど、女性の仕事が増え、看護婦も職業として知られるようになった。
二人が歩いてきた時間を、すごろくで見せたのは良かったです。
一方、同じ場面で明のボタンが取れたところは、少し取ってつけたように感じました。
吾郎(甲斐翔真)と明のつながりを見せたかったのだと思います。
でも、吾郎の存在が直美や明の中に残っていることは、すでに十分伝わっていました。
最後にもう一度、ボタンを出さなくてもよかったかな(笑)。
そして、明が大きくなり、ツヤやセツも看護婦になっているのに、りんと直美はほとんど見た目が変わりません。
二人とも最後まで全然老けなかったなあ(笑)。
直美一人の物語でもよかったのでは?
『風、薫る』を最後まで見て感じたのは、直美のほうが朝ドラのヒロインらしく見える場面が多かったことです。
教会に捨てられた直美は、実の母親との関係に悩みながら成長し、看護婦になりました。
吾郎と家族になり、明を出産したあと、夫を亡くします。
それでも母親として生きながら、看護婦として働き続けました。
直美の人生には大きな変化が多く、彼女が中心になった週は特に感情を動かされました。
直美一人の物語でも、朝ドラとして十分に成立したのではないかと思います。
もちろん、りんが必要なかったということではありません。
考え方の違う二人がいたからこそ、看護に一つの正解はないことを描けたのでしょう。
ただ、二人それぞれの家族、恋愛、仕事を追ったことで、話の中心が分かりづらくなった時期はありました。
ダブルヒロインだから描けたものはあった。
でも、直美一人を半年間追う『風、薫る』も見てみたかったです。
まとめ|半年間見届けて良かった
明のボタンや、りんと直美が最後まで若く見えたことには、少しツッコミたくなりました。
ダブルヒロインによって話が散り、直美一人の物語でもよかったのではないかという思いもあります。
それでも、最終回には満足しています。
ツヤやセツが看護婦になり、子どもたちのすごろくにも「看護婦」が加わりました。
りんと直美が始めたものは、二人だけのものではなくなっています。
気になるところはありましたが、半年間見届けて良かったと思える朝ドラでした。
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