映画『わたしの知らない子どもたち』感想|ずっと苦しかった。それでも観て良かった【ネタバレあり】

映画『わたしの知らない子どもたち』を鑑賞しました。

良かったです。ただ、観ている間はずっと苦しかった。

子どもたちが置かれた生活環境も、生きるために取らざるを得ない行動もつらい。妙に大人びて見えるところがありましたが、そうならざるを得ない環境だったのだろうかと思いながら観ていました。

子役たちの演技が素晴らしく、特に琴子と、友達のゆきちゃんの表情や目つきが印象に残っています。二階堂ふみ、岡田准一、役所広司、田中裕子が演じる大人たちも良かったです。

重い内容でしたが、長さは感じず、最後まで見入っていました。

※この記事では、映画の内容と結末に触れています。

30秒で結論

評価:4.0/5.0

戦後を生きる子どもたちの姿に、ずっと苦しさを感じました。大人びているのに、ふと子どもらしさが見える。その瞬間が、またつらかったです。

子役も大人も演技が良く、特に琴子とゆきちゃん、最後の先生の表情が心に残っています。

気軽にすすめられる映画ではありません。それでも、観て良かったと思える一本でした。

この映画はこんな人におすすめ

  • 戦争や戦後を描いた映画に関心がある人
  • 子どもたちの視点から当時の暮らしを考えたい人
  • 子役や俳優陣の演技を観たい人
  • 西川美和監督の作品が好きな人

作品情報

項目内容
作品名わたしの知らない子どもたち
日本公開日2026年10月16日
上映時間150分
製作国日本
原案・脚本・監督西川美和
主な出演小八重葵美、二階堂ふみ、坂東龍汰、櫻井海音、花瀬琴音、吉田羊、竹野内豊、岡田准一、田中裕子、役所広司ほか
音楽原摩利彦
配給K2 Pictures
映倫区分PG12

出典:映画公式サイト、映画.com作品情報

あらすじ(ネタバレなし)

戦争で家族を失った12歳の琴子(小八重葵美)は、戦後の街で生きていくことになります。

少女であることが危険につながる環境の中、琴子が選んだのは、性別を隠して少年として暮らすことでした。

一方、かつて琴子の疎開先で教師をしていた曽根文美子(二階堂ふみ)も、敗戦によって生活が変わり、厳しい現実に直面していました。

家族や居場所を失った子どもたちと、その周囲の大人たちを描く、西川美和監督の作品です。

子どもたちの表情に引き込まれた

子どもたちを演じた5人が、本当に良かったです。

特に琴子の表情や目つきには引き込まれました。細かく説明するのは難しいのですが、台詞を話していないときも目が離せませんでした。

友達のゆきちゃんも印象的でした。琴子と互いを気にかける姿を見ていると、二人がこの先どうなるのか気になってしまいます。

子どもたちは、ときどき年齢以上に大人びて見えます。自分で判断して動かなければ、生きていけない。あの環境で暮らすうちに、そうなっていったのかもしれません。

それでも、ふと子どもらしさが見える瞬間があります。まだ子どもなのに、こんな暮らしをしなければならないのか。そう思うと、つらかったです。

岡田准一が演じる菊沢を、どう受け止めるか

岡田准一が演じるヤクザの菊沢は、普段は子どもたちに優しく接します。でも、いざとなれば切り捨てるところもあり、都合よく使っているなと感じました。

ただ、子どもたちを救いたい気持ちもあったのではないかと思います。優しくしていたことまで、全部が嘘だったとは感じませんでした。

子どもを利用しているのは確かでも、それだけで片づけていいのか。菊沢については、観終わってからも考えてしまいます。

先生自身も、つらい経験をしていた

二階堂ふみが演じる曽根先生も印象に残っています。

先生自身、生きていくために体を売って暮らしてきた。子どもたちの境遇だけでも苦しいのに、先生もまた、つらい経験をしていたことが分かります。

二階堂ふみの表情や演技に引き込まれ、先生が出てくる場面も見入っていました。

特に良かったのは、最後に琴子が、また先生をするのかと尋ねる場面です。

先生は答えません。その表情を見て、私は「もう一度、先生に戻って頑張ろうと思ったのかな」と感じました。

大きなおにぎりと、子どもを大事にする言葉

役所広司と田中裕子が演じる二人の、子どもたちへの優しさも心に残りました。

特に印象的だったのは、大きなおにぎりを用意する場面です。

食べ物が貴重だっただろうに、あんなに大きく作ってくれる。子どもは大事にしなければいけない、という趣旨の言葉も良かったです。

その場面では、二人が息子を戦争で亡くしたのだろうかと思わせるものが、ちらっと映ります。

子どもたちへの優しさを見ていたところで、二人にもそうした悲しみがあるのかもしれないと思うと、少し苦しくなりました。

大きなおにぎりと、子どもを大事にしようとする言葉。二人の気持ちが伝わってくる場面でした。

苦しかったけれど、150分の長さは感じなかった

上映時間は150分ですが、長さは気になりませんでした。物語のテンポや見せ方にも、特に引っかかるところはありません。

子どもたちの暮らしを観ているのはつらかったですが、その姿から目が離せず、最後まで見入っていました。

総評

評価:4.0/5.0

『わたしの知らない子どもたち』は、苦しかったけれど、観て良かった映画でした。

特に、子どもたちを演じた俳優の表情や目つきが素晴らしかったです。大人びた姿を見ていると、そうならざるを得なかった暮らしのことまで考えてしまいました。

菊沢を単純に悪い人だとも言い切れず、先生自身の経験にも苦しくなる。大人たちについても、一人ずつ受け止め方が違いました。

戦争や戦後の暮らしに関心がある人、子役や俳優陣の演技を観たい人には、ぜひ観てほしいです。ただ、軽い気持ちで楽しめる映画ではないと思います。

30代男のひとこと

子どもたちが大人びて見えたのが、今も気になっています。

そうならないと生きていけなかったのかなと思うと、苦しいです。

本作は「2026年10月に映画館で観たい注目映画4選」でも紹介しています。

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