朝ドラ『ブラッサム』が始まりました。
第1週「私の父、私の母」では、山口県岩国で暮らす幼い珠(村上蘭)と、父・清治(渡部篤郎)、継母・リョウ(国仲涼子)の関係が描かれます。
錦帯橋をはじめ、岩国の景色がとてもきれいでした。
見ていると、岩国へ行ってみたくなります。
本編だけでなく、YOASOBIの主題歌「咲き誇れ」に合わせて石橋静河さんが踊るオープニングも良かったです。
前作『風、薫る』のMrs. GREEN APPLEによる主題歌「風と町」も好きでしたが、今回も毎朝楽しい気持ちで見られそうです。
そして、物語で最も気になったのが珠の父親でした。
朝ドラの父親は、とてつもない人格者か、とんでもないクズか。
清治は後者なのかな……と思いました。
ただ、カナリアをかわいがる姿や、珠の作文を喜ぶ姿を見ると、まだよく分かりません。
一方、珠と血のつながらないリョウは、珠を「珠さま」と呼び、大切に育てていました。
振り返ってみると、第1週はこれから珠の人生に大きな影響を与える父と母の自己紹介だったのだと思います。
今回は、珠が書いた「父について」の作文、カナリアをめぐる出来事、珠とリョウの関係について書きます。
『ブラッサム』第1週「私の父、私の母」あらすじ
昭和57年。
85歳になった葉野珠(加賀まりこ)は、東京・青山の書斎で新聞連載「生きて行く私」を執筆していました。
物語は、明治41年の山口県岩国へ。
10歳の珠は、父・清治、継母のリョウ、弟や妹たちと暮らしています。
清治は、岩国でも有数の蔵元・葉野酒造の長男です。
しかし、足の悪い弟・清重(三浦誠己)に家督を譲り、その見返りとして毎月お金を受け取りながら、働かずに暮らしていました。
家族には厳しく、珠はいつも清治の顔色をうかがっています。
一方、継母のリョウは珠を「珠さま」と呼び、愛情を注いでいました。
そんななか、学校で「父について」という作文の宿題が出されます。
父の良いところが思いつかず、なかなか書けない珠。
しかし、清治がカナリアへ優しく声をかける姿を見たことで、作文を書き上げます。
清治はその作文を気に入り、うれしそうな顔を見せました。
ところがその後、リョウが誤ってカナリアを逃がしてしまいます。
清治は怒りを爆発させ、リョウは実家へ戻ってしまいました。
珠はカナリアを探し回りますが、見つけることができません。
そして、リョウを連れ戻すため、その実家へ向かいました。
第1週は父と母の自己紹介だった
第1週のタイトルは「私の父、私の母」。
その言葉どおり、清治とリョウがどのような親なのかを、珠の目を通して見せる一週間でした。
清治は働かず、家族には厳しい父親。
リョウは血のつながらない珠を「珠さま」と呼び、大切にする母親です。
父について書いた作文と、母を連れ戻そうとした出来事を通して、珠が二人をどう見ているのかも分かりました。
物語が本格的に動き出す前に、珠がどのような家庭で育ったのかを見せた第1週だったのだと思います。
清治はクズ親父?働かない理由には何かありそう
清治は働かず、本家から受け取るお金で自由に暮らしています。
それだけを見れば、かなりのクズ親父です。
ただ、清治ではなく、足の悪い弟・清重が葉野酒造を継いでいることは少し気になりました。
清治の話によれば、働き口が見つからなかった清重のために、自分が身を引いて家督を譲ったとのこと。
その一方で、清治は家督を譲ったことを恩着せがましく持ち出し、「一生自由に暮らす」と宣言していました。
弟のために身を引いた兄なのか。
本当は自分が家を継ぎたかったものの、その道を諦めたことで投げやりになったのか。
それとも、働かずに暮らす理由として利用しているだけなのか。
今の段階では分かりません。
家族への厳しい態度が許されるわけではありませんが、清治が現在の生き方を選んだ背景には、まだ何かありそうです。
渡部篤郎さんが演じていることもあり、怖いだけでは終わらない父親になりそうな気がします。
珠の作文と、カナリアをかわいがる清治
珠は、学校で「父について」という作文を書くことになりました。
しかし、父親の良いところがなかなか思いつきません。
しょっちゅう怒られている珠からすれば、当然ですよね。
そんな珠が目にしたのが、夜桜の下でカナリアをかわいがる清治でした。
カナリアに優しく話しかける清治と、桜の映像がとてもきれいでした。
普段は怖い父親の、少し違う顔が見えた場面でもあります。
珠は清治を無理に良い父親として書くのではなく、自分が見たことや感じたことを、そのまま作文にしました。
小学生が書いたとは思えないほど文章もしっかりしています。
さすが将来、物書きになる人です。
そして清治は、その作文をとても喜びました。
あれほど怖い父親が、自分について書かれた文章をうれしそうに読む。
娘からどう思われているのか、清治なりに気にしていたのでしょうか。
少し良いところが見えた直後、カナリアを逃がしたリョウへ激しく怒ったため、やっぱり怖い父親ではあるのですが……。
清治がどんな人物なのか、まだ決めつけられません。
珠とリョウは、もう本当の親子だった
珠とリョウの関係も良かったです。
リョウは珠の実母ではありません。
珠を大切に思っているからこそ、どこか遠慮があり、「珠さま」と呼んでいました。
珠もまた、血のつながっていない自分を、なぜそこまで大切にしてくれるのか不安に思っています。
カナリアを逃がしたことでリョウが実家へ戻ると、珠は必死に連れ戻そうとしました。
「これからは珠と呼ぼうか」と話すリョウに、珠は「ずっと珠さまがええ」と答えます。
二人にとって「珠さま」は、よそよそしい呼び方ではなかったのでしょう。
血のつながりがなくても、珠にとってリョウは母親です。
珠がリョウへ思いをぶつけ、二人が抱き合う場面には、王道の朝ドラらしさがありました。
第1週の最後に、二人の気持ちを確かめられて良かったです。
宇野千代さんはモデル。でも朝ドラは朝ドラ
『ブラッサム』の主人公・葉野珠は、作家の宇野千代さんをモデルにしています。
宇野千代さんは山口県岩国市に生まれ、2歳のときに実母を亡くしました。
作家として活躍する一方、恋多き女性としても知られる人物です。
父親や継母との関係を少し調べておくと、ドラマをより楽しめそうだと思いました。
ただ、『ブラッサム』は宇野千代さんの人生をそのまま再現する作品ではありません。
宇野千代さんをモデルにした、朝ドラのオリジナルストーリーです。
史実を知ることで先の展開を決めつけたり、登場人物を実在した人物と完全に重ねたりはせず、「朝ドラは朝ドラ」という意識で見ていきたいと思います。
幼い珠を演じた村上蘭が良かった
幼い珠を演じた村上蘭さんも良かったです。
父親を怖がる顔、リョウを心配する顔、勇気を出して自分の気持ちを伝える姿。
珠が家の中で抱えている不安が、表情から伝わってきました。
朝ドラの子役は、本当に外れないですね。
第1週の終わりには物語が5年後へ進み、珠役は石橋静河さんへ交代しました。
村上蘭さんの珠をもう少し見たかった気持ちもありますが、大人になった珠の物語も楽しみです。
まとめ|父と母を知る第1週だった
『ブラッサム』第1週では、珠と父・清治、継母・リョウの関係が描かれました。
今のところ、清治はクズ親父に見えます。
ただ、弟に家督を譲った経緯や、カナリアをかわいがる姿、珠の作文を喜ぶ様子を見ると、それだけでは終わらない人物にも思えました。
一方、珠とリョウは、血のつながりがなくても、すでに本当の親子です。
第1週は、これから珠の人生に大きな影響を与える父と母の自己紹介だったのだと思います。
次週からは石橋静河さんへ交代し、珠の女学生時代が始まります。
清治の印象がこれから変わるのか。
大人になった珠が、岩国からどのように飛び出していくのか。
まずは続きを見たいと思います。
▼次週(第2週)の感想はこちら
【朝ドラ『ブラッサム』第2週感想】清治の「死にとうない」と、父から解放された珠【ネタバレ】